■ロベルト・デヴェリュー

■作曲:G・ドニゼッティ,指揮:M・ベニーニ,演出:デイヴィッド・マクヴィカー,出演:S・ラドヴァノフスキ,E・ガランチャ,M・ポレンザーニ,M・クヴィエチェン
■東劇,2016.5.21-27(MET2016.4.16収録)
■エリザベス一世が女王として女として愛の憎しみ悲しみを心の表裏に塗りこめていく激しい舞台だった*1。 ラドヴァノフスキの震えある乾いた高音とポレンザーニの青春が滑っていくような歌唱のぶつかり合いで身動きが取れなかった。 しかも黒と金の室内装飾と凝りに凝った衣装が追い打ちをかけるの。
取り巻き連中が舞台の袖にいて4人をいつも見つめている劇的手法を取っているから緊張の和らぐことがない。  逃げ道の無い室内劇ね。 しかも権力者への視線から他者の視線に転化している。 ロベルトを死刑にした終幕、女王が鬘を外した狂乱に近い姿は圧巻としか言いようがない。
*1、「マリア・ストゥアルダ」(MET2013年)
*METライブビューイング2015作品
*作品、http://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2015-16/#program_09