■スポケーンの左手

■作:M・マクドナ,演出:小川絵梨子,出演:蒼井優,岡本健一,成河,中嶋しゅう
■シアタートラム,2015.11.14-29
■身体の一部が題名に入ると謎めいてきますね。 しかし片腕の男カーマイケルは序幕に全てを喋ってしまいます。 謎は消えてしまった。 でも30年近く自分の左手を探す理由は定かではない。 よくても白骨化状態でしょう。 母と電話で話す場面も彼の日常を説明するだけで一息つける寄り道にしかみえません。 彼がベッドに座り項垂れて幕が下りるのですが結局は心情を掴み切れなかった。 煙草を取りだす格好いい仕草が左手を意識させます。
客席を挟んだホテルの一室の舞台は計算尽されているように見えます。 そこでの登場人物4人の会話や行動は活き活きしていますね。 ドタバタブラック喜劇としてみれば面白い。 カーマイケルがフロント係マーヴィンに「お前は死を恐れていない」という科白が印象に残ります。 動きの激しい3人に対して無関心を装うマーヴィンの存在感が目立っていました。
*劇場記録、https://setagaya-pt.jp/performances/20150728-3426.html