■さまよえるオランダ人

■作曲:R・ワーグナー,指揮:飯守泰次郎,演出:M・V・シュテークマン,出演:R・シヴェク,R・メルベート,D・キルヒ,竹本節子,望月哲也,T・J・マイヤ
■新国立劇場・オペラハウス,2015.1.18-31
■息を飲む展開が続き観後のカタルシスは最高! 死者の登場が舞台芸術の頂点に立つ為の必要条件だと言っているの。 世阿弥が今でも劇的感動を持ってきてくれる理由と同じね。 しかもこれは救済されるから尚更よ。
ダーラントに娘を紹介してもらう場面で、オランダ人がはにかんでる様子はワーグナーの若さが出ているわね。 でも28歳の作品とは凄い。 オランダ人がゼンタと初めて対面する場は久しぶりの緊張を味わったわ。 特にオランダ人の存在感は重要ね。 「指輪」と違って糸紡ぎや水夫たちの世間を肯定する人々が登場するのも初期作品の面白さだとおもう。 そしてゼンタはもっと不思議さを漂わせてもいいかも。 テノールが脇役でバスやバリトンとの対話が多いからよ。 でも彼女の歌唱は素晴らしかった。
飯守泰次郎はマラソン走法の「パルジファル」と違い今回は中距離走の指揮をしていた。 上演時間が半分という理由もあるわね? ともかくまだ一ヶ月しか経っていないけど今年初めての納得する一本だわ。
*NNTTオペラ2014シーズン作品
*劇場サイト、https://www.nntt.jac.go.jp/opera/15derfliegendehollander/