■ハムレット

■演出:ニコラス.ハイトナー,出演:R・キニア,C・ヒギンズ,P・マラハイド
■日本橋東宝,2014.10.3-8
■スピード感溢れる舞台だった。 この作品は走り続けるのが似合っている。 今回は役者も良かった。 老練なマラハイドとヒギンズが両親だと、聡明なローリ・キニアは水を得た魚のようなハムレットになれる。 もちろん観客もハムレットと共に走り続ける必要がある。 それが苦にならない舞台であった。 日本語訳も楽しい。 具体で筋の通った言葉がハムレットの存在を引き立たせていた。 
プレトークで演出家が監視国家を強調していたが騒ぎ立てる程でもない。 当時も監視があったことは理解できるが。 ガードマンは舞台を引き締めるコロスと思えば目障りにはならなかったが、オフィリアが本に盗聴器を小細工するとなると舞台に雑音が入ってしまう。 ハムレットを舞台化するときは変わった解釈をしたくなるのが演出家というものである。 しかし今回は小細工をはね退ける面白さがあった。
*NTLナショナル・シアター・ライブ2014年作品
*作品サイト、https://www.ntlive.jp/