■小指の思い出

■作:野田秀樹,演出:藤田貴大,劇団:マームとジプシー
■東京芸術劇場・プレイハウス,2014.9.29-10.13
■言葉を花火のように散らかしながら再び集めて物語を紡いでいく野田秀樹と、リズムある繰り返しで深みある世界を見せてくれる藤田貴大のコラボは見逃せません。 しかし負の方向に進んでしまったようですね。 
野田秀樹の舞台は観ていませんし戯曲も読んでいません。 ということで物語の流れがよくわからなかった。 一番の原因は役者がマイクを使ったことです。 特に女性の高音早口は響いてしまい集中しなければならない。 微妙なところですが。 劇場設備の悪さもあります。 これでリズムが狂いました。 舞台は本物の自動車が動き回ります。 驚きはありますがいつもの軽やかさが出ていません。 流れが重く感じられます。
物語の面白さは断片的には伝わってきました。 しかし全体がみえないので一度戯曲を読んでみるしかありませんね。 作者の好きな言葉遊びもイマイチ乗れません。 演出家が得意としているところを捨てて臨んだのですが、作品にも捨てられてしまったように見えました。
*劇場サイト、http://www.geigeki.jp/performance/theater058/