■トーマの心臓

原作:萩尾望都,演出:倉田淳,出演:劇団スタジオライフ
紀伊国屋ホール,2014.5.24-6.22
観客のほとんどが女性、しかも舞台は総てが男優! よくあることですが初めての劇団なので驚きの連続でした。 原作が少女コミックの連載漫画で男子中高校の寄宿舎生活が舞台と言えばなんとなしに分かります。 原作は読んでいません。
漫画の<コマ>を意識している面白い舞台でした。 漫画は<コマ>と<コマ>の間は「無」ですが、この舞台は<場面>と<場面>が「謎」で繋がっているのです。 多くは男色趣味というか少年愛の雰囲気が漂っています。
謎というのは、この雰囲気が日本的ではないことです。 「愛してる・・」や「好き・・」というセリフに理解し難い何かが付着しているように見えます。 もう一つの謎がユリスモールの過去です。 舞台はこの二つの謎を持っていつまでも進みます。
後半「ルネサンス云々」のレポートを書いて退学した生徒(名前を忘れました)の二度目の登場で自分なりに謎が解けました。 トーマは神に近い存在=天使だったのではないか? そして退学生徒は悪魔なのでは? しかし芝居の核心は未決のままでした
神と繋がっている「少年愛」はどういうものか経験的に理解できないからです。 トーマは天使なのか等々も不明のままです。 劇場で公演プログラムを買うべきでしたね。 疑問点が少しは解決したかもしれません。 でも面白い芝居でした。
*作品サイト、http://www.studio-life.com/stage/toma2014/