■ファスター  ■カルミナ・ブラーナ

新国立劇場・オペラハウス,2014.4.19-27
□ファスタ-
音楽:M・ハインドソン,振付:D・ビントレ,出演:新国立劇場バレエ団
スポーツをダンスに変換・記述している舞台である。 演算子が介入するので言語的なダンスになる。 オリンピックはそのまま西欧近代の流れとなる。 言語とオリンピックが一つになりこの流れを踏襲している作品にみえた。
バスケット、フェンシング、走り高跳び、水泳、陸上トラックなどなどの種目が登場する。 どれも綺麗に処理されている。 D・ビントレーというひとは石橋を叩いて渡る人のようにおもえた。 この作品も最高点ではなく、まずは合格点を狙っている感じだ。
□カルミナ・ブラーナ
音楽:C・オルフ,振付:D・ビントレ,出演:新国立劇場バレエ団
最高点を狙うにはこれをやるしかない!と企画者は危ぶんだのではないだろうか? 果たしてこれで最高点になった。 演奏・歌唱・ダンス・衣装・美術・照明すべてがまとまり舞台芸術の真髄が現前した。
中世宗教の化身の神学生と現代に通じる性が不連続で合体したような奇妙な感覚に引き込まれていく。 そして合唱が決定的感動を呼び寄せたのは言うまでもない。 満足である。
*NNTTバレエ2013シーズン作品