■NORAノーラ

作:H・イプセン,演出・出演:tgSTANティージースタン
あうるすぽっと,2013.11.27-28
入場すると役者が観客と話をしていた。 この小道具の値段は幾らしたとか・・、喋りながらそのまま劇に入っていく。 出演者4名は始終舞台にいて演技する他の役者を見つめている。 舞台の脇で着替えたり水を飲んだりもする。 客席も同じ照明が広がる
役者の視線の多くは観客に向けられる。 しかし違和感が無い。 安心感が漂っているからである。 全体の成熟度が高い。 ノーラの二度のダンスも面白い効果が出ている。 音楽もいい。 冗長度を生かしたプロの舞台を観ているようだ。
カネが十分にあればカネを意識することが日常では極端に減る。 人間関係が上手くいっている時も同じである。 ランクとの関係がこれだ。 ヘルメルとノーラの行き違いは両者の甘えから来ているようにみえた。 男女間の寛容度が無さすぎる。
後半客席の照明が暗くなった。 流れがシビアである。 仕事で良い部下を持った感じだ。 ところで終幕だがノーラが人形を例えに出した場面で幕を降ろすべきである。 だらだら延ばす必要はない。 よりドライになりコクとキレが出たはずだ。 初めて観た劇団だが気に入った。 
第2回現代イプセン演劇祭参加作品