■鼻

音楽:D・ショスタコーヴィチ,指揮:P・スメルコフ,演出:W・ケントリッジ,出演:P・ジョット
東劇,2013.11.16-22(MET,2013.10.26収録)
面白さは予想以上だわ。 理由は二つあるの。 一つは、歌唱と科白が映像や美術道具とみごとに調和している。 二つ目として、官僚国家がリアルに描かれているから。
これはケントリッジの総合芸術力の成果ね。 ショスタコーヴィチをロシア風アヴァンギャルドで包み込むと官僚国家ソビエトが出現するから驚きね。 ジャズ風音楽も風刺劇に向いている。
八等官の主人公は庶民生活ではどのような位置づけなの? 服のボタンで国家機関のどの部署か分かるの? 警察官は教育費不足で賄賂を要求するの? ・・これは尋常ではない! 新聞社建物の構造、警察官のデモ排除用マントも凄い。
このような作品をMETで観ることができたのは嬉しいわ。 ほかではちょっと無理かもネ。
*METライブビューイング2013年作品