■ネエアンタ ーNe ANTAー

演出:藤田康城,出演:山崎広太,安藤朋子,ARICA
森下スタジオ・Cスタジオ,2013.2.28-3.3
芝居のようでありダンスのようでもあります。 男の過去を話す女の声がスピーカから聞こえてきます。 女の持っているイヤラシサさが声にこびりついています。 また浪花節を聞いているようです。
男はゆっくり歩きまわり、窓のカーテンを開けたり冷蔵庫を叩いたりドアを閉めたりします。 動きがいいですね。 震えています。 男は存在するというより振動しているかのようです。 彼の振動的身体が女の声をスルリと躱しています。
ところで声の主は舞台に登場する女の声なのでしょうか? 彼女の存在は現実的です。 彼女の視線の中には<目的>が見えるからです。 このため男の振動的身体は女の現実的身体を寄せ付けません。 女の声、男の身体、女の身体、三者のすれ違いがベケット的にみえました。
*主催者サイト、http://aricatheatercompany.com/japanese/news/2012/12/arica-24.html