■初雪の味・鎌倉編

作・演出:吉田小夏,出演:青☆組(*1)
こまばアゴラ劇場,2012.12.28-13.1.6
時間の進み方が斑模様で不思議さの有る舞台でした。 兄弟たちが集まるのに静かな大晦日ですね。 テレビやトランプ・麻雀を出せないのが芝居の辛いところですか。 でも兄弟数や母と弟の関係をみると一世代古い時代にみえます。
長男恋人の年賀状を長女と母が弄ぶ場面があります。 このような母の態度が理解できません。 次男の恋人である看護婦が別人と結婚するのを聞いて彼は泣いてしまいます。 この場面で特に女性客からの笑い声で盛り上がりました。 なぜ笑うのか理解できません。
この芝居では新しく生きることがすべて葬られていくようにみえます。 死や思い出が強すぎて再生できないのです。 さいごに典子の弟が指で歩く姿をして前に進む意志を示します。 弱い幕引きです。