■明るい部屋

演出:高谷史郎
新国立劇場・小劇場,2012.12.7-9
北欧調の椅子やフロアライトが床にそして天井には大きなスクリーンのある無機質が漂う舞台です。 そして雑音のような映像と音楽、映像は世界の雲の動きや植物の枯葉、飛ぶような光の筋や数字の羅列が表示される。 役者たちはアナウンサーの真似事や傾いた机と椅子で本との戯れ日常生活の写真の説明場面だけが具体的な動きです。 この役者の単純な動作を見ながら音楽と映像に浸っていると恍惚感に入ることができる。 しかしこの恍惚も達成感がありません。 照明も悪くはありません。 この「・・・ありません」という半ば否定が舞台の特徴です。 R・バルトの同名作品は写真が与える存在を論じていたと記憶していました。 たぶん舞台との繋がりは半ば「ありません」。
*NNTTダンス2012シーズン作品