■椿姫

■作曲:G・ヴェルディ,指揮:F・ルイージ,演出:W・デッカ,出演:N・デセイ,M・ポレンザーニ,D・ホヴォロストフスキー
■新宿ピカデリー,2012.5.12-18(MET,2012.4.14収録)
■ナタリ・デセイは声・顔・体・演技の総てが枯れてきている感じね。 声を外してしまいインタビューで謝っていたけど緊張感を持って歌っていた。 でも最後まで皺を寄せて表情が真剣過ぎるわ。 もっと体力をつけなきゃ。 そうすれば皺が取れるわよ。
オペラってキャストでガラリと変わるから大変ね。 アルフレードは坊ちゃん過ぎるし、父親は自信が有り過ぎるし・・。 ヴィオレッタ一人では泣けるオペラに到達できない。 少しばかりズレていたけど、個性のぶつかり合いはそれなりに楽しかった。
舞台は楕円を基本とした宇宙観が表現されヴィオレッタの苦悩を無にするような感じね。 大きな時計も印象的だし。 でもコロスの仮面がダメ。 これは漫画ね。 あと主治医の存在が意味深過ぎる。 この二点は突飛すぎて観客の集中度を弱くしてしまう。
これで2011年度のMET は総て終了。 映画だと気軽に観られるのがいいわね。 P・グラスの「サティアグラハ」を見逃したのは痛かったけど。 ・・来年も期待しましょ。
*METライブビューイング2011作品
*作品サイト、http://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2011-12/#program_11