■奇ッ怪、其ノ弐

■作・演出:前川知大,出演:仲村トオル,池田成志,小松和重,山内圭哉
■世田谷パブリックシアタ,2011.8.19-9.1
■死者への心配りが行き届いていた舞台のため日本の8月によく似合う。 それにしても臓器移植や殺人場面の目撃、妻の自殺など話が細かすぎて印象が薄いストーリだ。 これでカーテンコールでの拍手に勢いがなかったのだと思う。 背景の壁が舞台中央奥へ狭まっていくので科白が響く。 まるで役者の身体から声が離れてしまっているように聞こえた。 死者の為にこの構造にしたのならよいが観客から舞台が遠のいてしまう。 最後の祭りの話も盛り上がらなかった。
手や足の変わった動作も生きていない。 最後の大事な場面で矢口が痒いのか左腕を掻いていたが演技にはみえなかった。 ともかく良質の緊張感が続かない舞台だった。 役者もこの芝居は失敗作だったと感じているのが顔に表れていた。
*現代能楽集Ⅵ
*劇場、https://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/08/post_242.html