■私たちは眠らない

■演出:東野祥子,出演:BABY-Q
■シアタートラム,2011.3.4-6
■前作の「ヴァキュームゾーン」で、特に照明に踊りが追いついていけなかったところはクリアしたようね。 理由は照明のコヒーレントが増したため踊りと対等になったからよ。 音楽も一層よくなったけど同じ理由が言えるわ。 そしてダンサーには切れがあった。
結果、東野の持ち味のドロドロさがなくなったの。 このドロリの原因はアニミズムに通ずるようなものだと思うの。 東野は恐山のイタコだったのよ。 しかし今回これが別なものに変化した。 それは宗教よ。
こんかいの音楽はイスラム教を思い出させるの。 そしてマイクを持った女性の演説がグローバリズムを語るの。 これは宗教と兄弟よ。 最後に箱を繋ぎ合せて十字架を作りコヒーレンスな照明で精神を高揚させる。 こんなにも宗教的な舞台は珍しいわ。
しかし最後に藁と骸骨が登場したの! どういう意味だか理解できないわ。 でも二つの方向が考えられる。 東野は再び恐山のイタコに戻る、あるいは本格的な宗教へ突き進む。 どちらへ行くかは次の作品を観ればわかるはずよ。
*劇場サイト、http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/03/post_219.html