■幻祭前夜-マハーバーラタより-

■演出:小池博史,出演:清水寛二,白井さち子,小谷野哲郎ほか
■吉祥寺シアタ,2015.12.8-16
■幕開きの鹿の仮面を付けた踊りで一気に舞台に入っていけたわ。 役者たちのしなやかな動きがそのまま物語に繋がっている。 仮面や小道具も高価には見えないけれど大切な重みを持っている。 照明が電球になったとき寺院のなかで演じられているような錯覚に陥ったの。 東南アジアを旅した時と同じ驚きがある。
先日観たキリスト教からギリシアの神々をみたようなP・ブルックとは違うの。 ヨーロッパ思想を通さないアジアが舞台に現れていたようにおもう。 それは神々と人間の関係が身体を通して結びあっている感覚とでもいうのかしら? 演出や振付の力もある。
そして矢が落ちてきて終幕になったのは大戦前夜だから? 戦争を挟んで鮮やかな対照を持つ静寂と鎮魂に包まれたブルックの舞台とこの作品がそのまま繋がるわね。
*主催者、マハーバーラタシリーズ(kikh.org)