■少女仮面

■作:唐十郎,演出:金守珍,出演:李麗仙,松山愛佳ほか,劇団:新宿梁山泊
■スズナリ,2015.9.30-10.7
■李麗仙がゆっくりと階段を下り舞台に向かうとき、場内は水を打ったように静まり返った。 噛みしめる科白は冷静さを整っているが棒読みのような喋りである。 はじめは戸惑ってしまったが違和感は直ぐに薄れていく。
物語のシークエンスとシークエンスの間に時空を越える裂け目がある。 そこでは小道具、照明そして音楽が通奏低音として鳴り始め、役者が一気に時空差を埋める詩的科白を喋りだす。 ここに劇的世界が出現する。 宝塚少女のそして「嵐が丘」の、愛が塗り込められた「肉体」を永遠の乙女が語る。 特権的肉体は現れたか? 久しぶりに唐十郎の世界に浸れた。
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