■パルジファル

■作曲:R・ワーグナー,指揮:飯守泰次郎,演出:H・クプファ,出演:C・フランツ,E・ヘルリツィウス,J・トムリンソン,E・シリンス,長谷川顕,R・ボーク
■新国立劇場・オペラハウス,2014.10.2-14
■稲妻のような道にはLED照明が敷かれているの。 なんとモータで動く大きな槍もある。 そして背景には映像が映し出されている。 席が前なので道がよく見えない。 後席なら美術の良さがわかったかもしれない。 新国得意のスッキリサッパリ機械仕掛ね。 天井照明がほとんど無いから空間が寂しい。
上演は6時間弱。 飯守新監督の指揮は急がず休まずマラソンをしているような演奏。 これで安定感は抜群よ。 
一幕を観ながら「インディ・ジョーンズ」だとか「猿の惑星」を思い出してしまったの。 中身が関連していると思わない? 二幕のクンドリとパルジファルの遣り取りは面白かった。 三幕はちょっと煮え切らない感じかな。
クリスティアン・フランツは存在感がアヤフヤだわ。 無駄な動きがあるのとクンドリのキスの前後で変わっていないからよ。 愚者の存在力は難しさがあるけど、演出家はもう少し考えてもいいわね。
昨年4月のMETは無垢のまま観たけど、今回は知識や情報を集めて臨んだの。 でも感動はイマイチだった。 舞台芸術は知識・情報と感動が比例しないのよ。 いまここに現前している舞台が全てなのね。
ところで黄色い衣装の人は仏教の僧侶なのかしら? 終幕にパルジファルが僧から貰った袈裟をグルネマンツやクンドリに分け与えるの。 日本公演のサービスなの? 混乱したけど、これも終幕解釈の一つかもしれない。
*NNTTオペラ2014シーズン作品
*劇場サイト、http://www.nntt.jac.go.jp/opera/parsifal/index.html