■トカントントンと

原作:太宰治,演出:三浦基,出演:地点
神奈川芸術劇場・大スタジオ,2013.3.7-26
素晴らしい舞台構造です。 頭から少しずつ見えてくる役者は<向こうから>やって来きたようにみえました。 能舞台と同じですね。 背景の銀片が揺れてキラキラ光る様は物語の背景を豊かにしています。 衣装も乞食のようで戦後の物不足が表れています。 会場で配られた鼎談に「この演出家は出だしを凝る・・」と書いてありましたがその成果は十分にでています。
芝居をみた後に原作を読みました。 全てを無意味化する遠くから聞こえる金槌の音が重要だとわかりました。 舞台は金槌で床を叩いた濁った音でした。 もっと響きのある音にしていたら、玉音放送や君が代と金槌の音との関係性が強く持てたはずです。