■マクベス

■作曲:G・ヴェルディ,指揮:J・レヴァイン,演出:A・ノーブル,出演:M・グレギーナ,Z・ルチッチ
東劇,2012.8.25-9.28(MET,2008.1.12収録)
一幕は素晴らしかったわ。 魔女の「謎めいた予言」とマクベスの「不吉な予感」だけで物語が進んでいくの。 だから終幕迄にこの予言と予感を全て舞台で具現化しなければならない。
さすがノーブルかと観ていたけど、二幕はこの具現化が多過ぎて消化できず深みが出なかった。 マクベス夫婦の心の流れを捉え切れない。 これで二幕は自滅したのね。 軍隊と難民ばかりが目立ってしまったわ。
ノーブルが「権力者の登場と退場は中世でも現代でも同じだ」のような事をインタビューで言っていたけど設定を20世紀にしたのは正解。 マクベスの歌唱は伸びと張りがもう少し欲しかったわね。 だからマクベス夫人より観客の拍手が少なかったのよ。
*METライブビューイング2007作品