■星の結び目

■作:吉田小夏,演出:黒澤世莉,出演:時間堂
■こまばアゴラ劇場,2011.12.22-12.1.2
■「ストレートプレイの醍醐味を」と書いてあるチラシの通りであった。 細かな物語が散りばめられていて登場した人々を結びつけていくので 「星の結び目」と言うのだろう。 ストーリーは逆で戦争に翻弄されバラバラになっていく人々の様子が描かれている。
氷問屋の主人と丁稚、海外起業、帝大出の番頭、大陸花嫁、代議士とのお見合いなど興味ある話が続く。 着物の柄、蝋梅や枝垂れ梅の良し悪し、お花見・蛍狩りの行事、ドロップや金平糖の菓子が当時の生活の想像を助けてくれる。
しかし幕開きの3人を残して多くの人の物語は額に飾られてたまま幕が降りてしまった。 それだけ戦争の傷跡が大きかった。 でも生きている者は死んだ者にも星と同じに結べることができる。 新年早々このような芝居を楽しめてとても良い気分だ。 ところで途中から数回にわたり梅子が解説をというか心情を話し始めたがこれは不要だ。
*チラシ、http://stage.corich.jp/img_stage/l/stage24441_1.jpg?1409536278