■無重力チルドレン

■作・演出:はせひろいち,出演:劇団ジャブジャブサーキット
■ザスズナリ,2011.7.29-8.1
■2085年、知的流動体生物が月面コロニーの研究者の記憶をもとに昔の妻に変身して登場する、「ソラリス」もどきのストーリである。 しかし地球上で起こった災害を月から眺めた時の距離感をテーマにしているようだ。
ところで今、東京写真美術館では去年のハイチ地震で31万人が亡くなり、パキスタンの大洪水で2000万人が避難した写真展が開催されている。 例え東日本大震災が無くても「すっかり忘れていた」世界で起きた大災害である。 この距離感である。
月から情報だけを通す空間を介して地球を眺めた時の醒めた感覚である。 地球への思い出は妻や学生時代しかない。 役者間の対話は少しヒネっていて面白いが日常生活の雑音のように聞こえてきて眠くなってくる。
この無重力感が一層距離感を出している。 パンフレットに無責任な作品と書いてあったが現代社会の一面を描いていることは確かだ。
*劇団サイト、http://www.jjcoffice.com/jyabujyabu.html